熊本大学医学部の紹介
熊本大学医学部は、1896年創始と歴史が古く、細菌学者で慶応大学医学部の創設者である北里柴三郎など多くの研究者を輩出しています。医学部も含まれる大学院生命科学研究部は、日本で最初のエイズ学研究センター(現ヒトレトロウイルス学共同研究センター)や発生医学研究所を有し、医学・薬学・保健学の3部門13講座79研究分野からなる研究特化型の組織になっています。その中の分野の一つである神経精神医学講座は1904年に開講され、統合失調症やアルツハイマー病の死後脳研究、水俣病や三池炭塵爆発の調査研究、認知症の臨床研究など臨床精神医学を柱として診療・研究・教育を行ってきました。私は8代目の教授として2018年7月1日に赴任しました。私が熊本大学に赴任しようと思った大きな理由は、前述のように生命科学研究部の基礎医学分野が活発な研究環境の中で、トランスレーショナル研究がしやすいと考えたからです。実際、分子脳科学講座、微生物薬学講座、神経分化学講座、シグナル・代謝医学講座など、熊本大学の基礎の先生方との共同研究や交流の機会をこの短期間で与えて頂きましたことを、大変感謝しているところです。