神経化学 Bulletin of the Japanese Society for Neurochemistry

ISSN: 0037-3796
日本神経化学会 The Japanese Society for Neurochemistry
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Bulletin of Japanese Society for Neurochemistry 60(1): 22-23 (2021)
doi:10.11481/topics133

若手研究者育成セミナー参加レポート若手研究者育成セミナー参加レポート

第13回若手研究者育成セミナーに参加して

京都薬科大学統合薬科学系博士課程2年

発行日:2021年6月30日Published: June 30, 2021
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私は学部卒業後2年間社会人として治験関連の会社に勤務し、当時は自分が研究の道に進むとは考えていませんでした。社会人として働くうちに、薬剤開発における基礎研究について興味を持ち、実際に研究に携わりたいとの思いが強くなり、大学院への入学を決心しました。大学へ戻ってからも、研究を進めていく中で、自身の将来について悩むこともあります。学部生の頃に関わった神経系についてさらなる専門性を磨きたいと思う一方で、自身が理想とする研究者像はどこにあるのか、将来どのようなことがしたいのかはっきりしない研究生活を過ごしていました。そのような時に、このセミナーについて知りました。このセミナーでは神経化学を専門として、その最先端の研究をされている先生方が多く参加され、また私と同じように神経系について研究している学生の方も参加されており、その方々がどのようなことを考え、どのような目標を立てて研究されているのかを、知る良い機会ではないかと考え、迷うことなく参加を希望いたしました。

今年は昨今の情勢を踏まえてオンラインでの開催となり、全体の流れとしては、全体講義の後、少人数でのグループ講義を2コマ受講といった流れでした。オンラインセミナーということで直接先生方や参加者と対面することはできませんでしたが、オンラインセミナーに先駆けて実施された顔合わせでは、グループ講義で一緒に受講する方と自己紹介や自分の研究内容について紹介する時間があり、セミナー当日にどのような方が一緒に受講するのかを知ることができ、緊張を和らげることができました。また、オンラインセミナーならではのモニター越しの交流、意見を交換し合うという通常の学会では味わうことができない新鮮さを感じました。セミナーの初めに、和田圭司先生より研究者として必要とされる説得力のある会話、発表方法についてのお話をいただきました。その中で、私が大変興味深く感じたことは、目先の結果だけではなく、100年先に焦点を当てて考えるという点です。私が普段の研究室での生活において考えることは、得られた結果がどのように評価されるのかという考えばかりでした。それは私が日々臨床応用を意識して一刻も早く患者さんの手助けをしたいと考えているからかもしれません。しかし、そのために近い将来に評価されることばかりを考えており、その先に焦点を当てることはありませんでした。このように100年先に焦点を当てるという教えは、私にとって大変衝撃的であり、感銘を受けました。広い視野で考えることが大切ということを再度認識することができました。

その後のグループ講義では、2、3名の先生方と参加者数名で実施されました。そこでは、先生方がされている研究や、学生時代どのような研究や生活をされていたかなどお話をいただきました。また講義の中では、同じグループの学生の方と交流し、先生方へ直接質問できる機会も多くありました。それは研究の話だけではなく、自身のライフワークやこの先どのような職につきたいかなど、まさに私が期待していた時間が設けられており、私もかねてから悩んでいた自分の将来について相談し、自分の研究に関連したことを質問させていただきました。先生方にはご自身の経験等を踏まえた大変貴重なアドバイスをいただくことができ、自分の自信につなげることができました。

若手育成セミナーは新鮮なことばかりで、あっという間に時間が過ぎてしまいました。期待していた通りに、自分の将来を再度深く考える良い経験にもなり、このセミナーで得た考え方、情報を自分の力にすることで、より一層成長できるように感じました。今、自分の研究や将来について悩んでいる学生は多いと思います。そんな方は是非、このセミナーへの参加を検討してみてください。同じ目標を持った学生や長年研究に携わった先生方との交流は、大変興味深く刺激的なもので、そこから得たものは必ず自分の自信につなげることができると思います。翌日からの研究への姿勢も変わるかもしれません。また、このような神経化学分野における著名な先生方より直々にご指導いただける点も、若手育成セミナーの最大の特徴の一つだと思います。是非参加を検討されてください。

最後になりましたが、厳しい環境下においてこのような貴重な経験をさせていただき、本セミナーを企画・運営していただきました先生方やスタッフの方々に、心から感謝申し上げます。本セミナーで学んだことを生かして、今後も先生方と研究者としてお会いすることができるよう日々努力していく所存です。

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