ISSN: 0037-3796
日本神経化学会 The Japanese Society for Neurochemistry
Bulletin of Japanese Society for Neurochemistry 60(2): 89-90 (2021)
doi:10.11481/topics160

若手研究者育成セミナー参加レポート若手研究者育成セミナー参加レポート

第14回若手研究者育成セミナーに参加して

量子科学技術研究開発機構量子医科学研究所脳機能イメージング研究部博士研究員

発行日:2021年12月30日Published: December 30, 2021
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2021年9月24日(金)と30日(木)の二日間に渡り、第14回若手研究者育成セミナーが開催されました。本来であれば奈良の地で行われる予定でしたが、昨今の情勢を踏まえて第64回日本神経化学会がオンライン開催になったことを受け、若手研究者育成セミナーもオンライン開催されることとなりました。私はこれまでオンラインで行われる学会や大きなセミナーに参加したことがなく、今回が初めてのWEB学会への参加でした。また、日本神経化学会大会には今年度から入会し、若手研究者育成セミナーへの参加も初めてです。初めは勝手が分からずどのように挑めば良いのか分からなかったのですが、9/24に行われた全体セミナーでは冒頭からとても暖かい雰囲気で質問しやすい空気感が流れており、とても安心したことを記憶しています。この参加レポートでは、日本神経化学会がとても若手研究者の育成に力を入れているのだということをオンラインでの画面越しながらヒリヒリと肌で感じたことを中心にお伝えできればと存じます。

9/24は全体セミナーとして藤田医科大学・客員教授の鍋島俊隆先生に「若者へのエール:君の仮説を証明するために、どのように研究を進めるか」というテーマでご講演をしていただきました。研究者に必要な思考の養い方や「どう研究を進めるか?」「どう論文を書くか?」など、まさに今、若手研究者が直面している問題について一つずつ先生の経験談を踏まえながらご教示していただきました。鍋島先生のお話をお聞きして強く印象に残っていることは、先生が若い頃からとても後進の育成に尽力されており、若手が育つことが自身の喜びでもあるとお話しされていた点です。今回参加されたセミナー講師、ゲスト講師、チューターの先生方にも共通する点ですが、どの先生からも若手研究者の成長を後押ししていきたいという気持ちがとても伝わってきました。鍋島先生は中でもそのお気持ちが溢れ出ていて、ぜひもっとたくさんお話しして研究者としてのマインドをさらに学びたいと思いました。また、受講生からの様々な質問についても一つ一つ丁寧にご回答してくださり、大変勉強になったと感じております。全体セミナーの後は各グループに分かれて受講生同士の交流会が行われました。初めはお互いに何を話せば良いのか分からずモジモジする場面もありましたが、チューターの高橋先生の絶妙なパス回しにより少しずつ打ち解けて受講生同士で質問し合うこともできていた気がします。1時間ほどの短い時間でしたが、若手同士で話す機会が減っているこの情勢下でオンラインでも気兼ねなく話せたことは大変貴重だったと感じております。

9/30はグループセミナーが開催され、各グループに分かれてゲスト講師の先生に1時間ずつ講演をしていただきました。私はグループ7に所属し、東京大学大学院医学系研究科神経生化学分野の尾藤晴彦先生と北海道大学大学院薬学研究院薬理学研究室の南雅文先生のセミナーを受講しました。お二人ともご自身の若い頃から現在に至るまでの研究内容や取り組み方、その時々で感じ考えていたことなども交えながらお話ししてくださりました。どちらの先生もとても気さくに話してくださり、受講生からの質問にも丁寧に答えてくださっていたのがとても印象的でした。また、ゲスト講師の国立精神・神経医療研究センター神経研究所・神経薬理研究部の村松里衣子先生は事前に受講生から様々な質問を受け付けてくださり、若手研究者からの幅広い悩み相談や疑問に真摯に向き合って回答してくださりました。受講生からの質問回答タイムでは尾藤先生と南先生を巻き込みながら先生方の三者三様な考え方を知ることができ、今後の自分自身の考え方を深める上で大変勉強になったと感じております。どの先生も、「研究人生で色んな人に助けてもらってきた」「たくさんの人と研究を進めてきた」とお話しされており、研究とはたくさんの人と協力しながら進めるチームプレーなのだなと改めて学びました。このグループセミナーでのゲスト講師による講演や受講生同士の交流を通して、たくさんの人と関わり、自分自身を成長させていくことがとても大切なのだと実感し、若手育成セミナーに参加して本当に良かったと心から思いました。今回はオンラインでの交流でしたが、ぜひ来年は沖縄の地で直接お会いして熱いディスカッションを交わせたらと強く願います。

私はこの春に学位を取得し、4月から現在所属している研究部に赴任致しました。バックグラウンドが基礎獣医学ということもあり、これまで交流したことが無い医学系・薬学系の先生や若手研究者の方々とお話しするこのような機会に恵まれて大変感謝しております。受講生はほとんどが学位取得前の学部生や大学院生で、今後の自分の将来についてまだ決めかねている学生も多いかと思います。そのような方にとって、本セミナーは同じような立場の仲間や長年研究に従事されている先生との交流がとても刺激になり、自身の考えを深める良い機会になるのではと思います。また、私のような学位を取得したばかりで研究者としてやっていけるのだろうか…という不安と闘いながら日々実験をしている若手研究者にとっても、多くのものを得られる機会になると感じています。少なくとも私は、今回の若手育成セミナーに参加して本当に良かったと満足感でいっぱいです。

最後に、このような大変な状況下で若手研究者育成セミナーという特別な機会に参加させていただき、心より感謝申し上げます。本セミナーを企画・運営していただきました世話人の先生、講師の先生、チューターの先生、スタッフの方々にも厚くお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。来年はぜひ沖縄で直接お会いし、夜通しディスカッションできることを楽しみにしています。

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