鍋島トラベルアワードを受賞して
Department of Neurology, Brigham and Women’s Hospital, Harvard Medical School
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この度は第64回日本神経病理学会・第66回日本神経化学会合同大会への参加に際して、日本神経化学会から鍋島トラベルアワードによるご支援をいただき、心から感謝申し上げます。また、本大会の若手道場にて発表し、優秀発表賞を受賞することができ、誠に光栄に存じます。
私は2021年の5月から現在所属しているハーバード大学医学部附属Brigham and Women’s Hospital(Anna Krichevsky lab)でのポスドクを開始し、今回が初めての学会参加となりました。本大会では、“tRNA断片を介した神経細胞内タウ蛋白凝集の誘導と凝集体細胞間伝搬メカニズムの解明”というタイトルでタウオパチー発症におけるtRNA断片の機能について発表させていただきました。現在論文準備中ということもあり、未発表データを多く提示しましたが、大変多くの先生方からフィードバックをいただき、今後の研究展開に大変参考になるご指摘を賜り、とても有意義なディスカッションをすることができました。
学会中は多くのシンポジウムが組まれており、最新のトピックから関連分野まで様々な研究発表を聞くことができ、大変勉強になりました。またプレナリーレクチャーでは、Neuroscienceの最先端を牽引する御高名な先生方やノーベル賞受賞された田中耕一先生の講演を拝聴し、研究による医学への貢献、研究の面白さを再認識しました。
また、今回の学会では若手研究者育成セミナーにも参加させていただきました。和気藹々とした雰囲気がとても楽しく、初参加の私も大変楽しむことができました。幅広い年齢層で異なる背景を持った先生方、若手研究者の多くの方と神経化学を通して交流することができ、今後のキャリアパスについて大変有意義なコメント、アドバイスをいただくことができました。先生方の熱いご指導を糧にして、一層精進しようという気持ちを新たにすることができました。
鍋島トラベルアワードにより、海外で研究をしている若手研究者が日本神経化学会に参加しやすい環境をご用意して頂けたことを心より嬉しく思います。コロナ感染症大流行の影響もあり、留学する日本人研究者が減少傾向にある現代において、このような温かい援助をいただけることは留学を考えている若手研究者を大いに励まし、海外留学の背中を後押しするものだと感じております。私自身も将来的に自分の経験を学会に還元できるよう引き続き精進してまいりたいと考えております。
最後になりますが、トラベルアワード設立にご尽力いただきました鍋島俊隆先生、国際対応委員会委員長の味岡逸樹生先生と選考頂きました国際対応委員会の先生方、並びに若手研究者育成セミナー関係者の先生方に深く御礼申し上げます。今後ともご指導、ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い致します。
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