ISSN: 0037-3796
日本神経化学会 The Japanese Society for Neurochemistry
Bulletin of Japanese Society for Neurochemistry 64(1): 57-62 (2025)
doi:10.11481/topics238

海外の留学先から海外の留学先から

カナダ・トロントでの研究生活

トロント大学

発行日:2025年6月30日Published: June 30, 2025
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はじめに

私は現在カナダのオンタリオ州トロントのUniversity of Toronto, Tanz Centre for Research in Neurodegenerative Diseases(UofT, Tanz CRND), Joel C. Watts研究室にPostdoctoral Fellowとして留学をしている天野元揮と申します。私は2021年の7月に渡加し、約4年が経ちました。留学までの経緯やトロントでの暮らしなどについて紹介させて頂きます。本稿が海外留学を目指す先生方の参考になれば幸いです。

留学までの経緯

私は大阪大学大学院医学系研究科の博士課程では、大阪大学大学院連合小児発達学研究科の片山泰一教授のご指導の下、博士号を取得しました。大学院では、私は脊髄小脳変性症の発症に関わるタンパク質SCYL1の翻訳後修飾を介したゴルジ体の構造・機能制御機構を松﨑伸介准教授(現在:森ノ宮医療大学教授)と解明し、神経細胞の発達におけるSCYL1の機能を吉村武講師(現在:鳥取大学教授)と解析しました。SCYL1についての研究成果を日本神経化学会で報告した際には、幸いなことに優秀発表賞及び優秀ポスター賞を受賞しました。その後、学位取得後の進路について片山教授に相談した際、「学位を取った後は、留学したいでしょ?」と片山教授のその一言から、とんとん拍子に海外留学の話が進みました。片山研究室及び日本神経化学会を通して仲良くして頂いている先生方から“海外留学するなら若いうちに行く方がよく、海外留学が研究生活の中で一番楽しかった”と助言を伺っていましたので、迷うことなく海外留学することを決めました。神経変性疾患に関わるタンパク質Tau及びα-synのSUMO化修飾を同定したUofTのPaul Fraser博士の研究室に片山教授は留学経験があり、留学後も精力的にFraser博士と共同研究を行っていることから、Fraser博士からUofT, Tanz CRNDのPIの先生方に連絡をして頂き、私に興味を持って頂いたPIの先生方と直接面談する機会を設けて頂きました。元々、神経変性疾患に興味があったことからUofT, Tanz CRNDは最良の留学先候補であり、この好機を捉えるために、これまでの研究成果及び各PIの先生方に応じた新しい研究案等のプレゼンテーションの準備をし、渡加しました。しかし、その時期にCOVID-19のパンデミックが始まり、渡加3日目にUofT, Tanz CRNDの所属者に海外から来た人との接触禁止の通達がありました。そのため、残念ながら全てのPIの先生方とはお会いできませんでしたが、数名のPIの先生方と面談ができ、Tanz CRNDの研究環境を知ることができました。また、幸いにも現在の上司であるWatts博士とお会いすることができました。Watts博士は博士号取得後、ノーベル生理学・医学賞を受賞したStanley B. Prusiner博士の研究室に留学し、Prion, Aβ及びα-synの脳内伝搬機構について研究され、Tanz CRNDに栄転後は特にPrionとα-synの研究に注力されています。面談時には、私の実験技術やタンパク質翻訳後修飾の解析を高く評価して下さり、留学について前向きな返事を頂けました。私は大学院で培った研究技術を発揮でき、新たな研究技術及びその研究計画プロセスを習得できる絶好の機会であること、そしてWatts博士はUofT, Tanz CRNDのPIの中で最も若く、栄転して6年でNature Neuroscienceを書いており、今後勢いが増す研究室であることからWatts博士の研究室に留学することを決めました。帰国後、Watts博士にその意向を伝えると喜んで留学を快諾してくれました。その後、Watts博士の研究室に所属しているラボメンバーとビデオチャットで一度、話をして欲しいと連絡を受け、ラボメンバー全員と個別で話をし、Watts博士の研究室の留学が正式に決まりました。

海外留学は“候補とする研究室のPIに連絡及び交渉をし、留学を承諾してもらう方法”と“所属していた大学大学院や共通の知り合いの先生を通して、留学先の候補となるPIを紹介して頂く方法”の2つがあると思います。私の場合は上記のように後者でした。後者の場合、PIを紹介して頂いた先生の顔を立てるため、紹介先の研究室を断りづらいというデメリットがあります。しかし、学位取得後すぐに留学したい場合や他の留学希望者と比べて業績が劣っている場合において、知り合いの先生による紹介は先方のPIを前向きに検討させてくれる可能性が高いというメリットがあります。有名な研究室のPIには留学希望のメールが沢山届くことから、PIから返信がないことが多いとよく伺います。UofTの別の研究室の所属している邦人の先生は、メールを送ってもPIから返信がなかったそうですが、共通の知り合いのUofTの先生に仲介してもらったことにより連絡がとれ、留学を承諾してもらえたと伺いました。

トロントでの生活

トロントはオンタリオ州の州都であり、カナダの最大都市です(写真1)。世界で最も安全な主要都市ランキングにおいて、トロントは北米では例年第1位であり、約4年間生活していますが、身の危険を感じた経験は一度もありません。海外からの移民を多く受け入れており、多文化的かつ人口構成も国際色が豊かです。そのため、リトルイタリー、グリークタウン、J-タウン(日本)、コリアンタウン等々の地域があり、各国の料理や文化に触れることができるのもトロントの魅力の一つです。路面バスに加え、路面電車(TTC: Toronto Transit Commission)も整っており、不自由なく各地域を移動することができます(写真2)。しかし、トロントの公共交通機関はダイヤグラムが一般的に乱れており、日本の公共交通機関がいかに正確であるかを利用する度に再認識します。天候は日本と比較すると、夏の平均最高気温は25°C程度で湿度が特に低く、反対に冬の平均最低気温は−10°C前後と寒いですが、年間の降水日数及び降水量は非常に少ないためとても快適です。ダウンタウンから少し外れると緑豊かな公園が何箇所もあります。自宅の側のドッグラン付きの公園は平日の夕方や休日は多くの方で賑わっており、私の憩いの場です。コロナ禍以降、ダウンタウン周辺の家賃は年々高くなっています。新規契約の場合、4年前に比べると家賃が約500~600 CAD(2025年5月時点:1 CAD=約105円)高くなっており、東京の都心部と同等またはそれ以上に高い印象です(e.g., 単身の場合(1R, 1LDK):約1,800~2,200 CAD/月)。家賃は高いですが、ほとんどのマンションにおいてエントランスにコンシェルジュが24時間駐在するので安全性が高いです。日本人は部屋を丁寧に使用することや家賃を滞納しない等、カナダ人から高い評価を受けており、賃貸の契約は非常に有利です。私の場合、現在の自宅に賃貸契約を申し込んだ際、すでに6名の方がオーナーに申し込んでいましたが、私が日本人であることやUofTの雇用で家賃の滞納の可能性が低いことをオーナーが評価してくださり、他の申込者を差し置いて契約することができました。(※私が契約した時期は、コロナ禍のロックダウンによる収入減で、家賃の滞納者が沢山おり、多くのオーナーが困っていたそうです。)カナダの平均年収は日本に比べて高く、そのため、食料品やその他雑貨の平均価格は日本の約1.3~1.5倍です(e.g., コカ・コーラ2 L:4 CAD、卵12個:5~7 CAD)。2024年3月からUofTのPostdoctoral Fellow(ポスドク)の最低年収は50,000 CAD(2025年5月時点:約525万円)になり、PIと交渉し、給与を上げることも十分可能です。私は単身での留学のため、生活に困ることなく研究に打ち込めています。日本食はカナダで人気があり、J-タウンに限らず、どのスーパーマーケットでも日本の調味料等を購入することができます。また、ダウンタウンには日本食のレストランが多く、カナダ人にも大いに人気です。トロントには日本人のコミュニティがあります。そのコミュニティでは研究職に限らず、様々な職種の方と知り合う機会があり、子どもの育児、教育や学校等の情報交換、休日にはバーベキューやパーテイを行い、交流を深めることができます。そのため、ご家族と一緒に留学される方も安心してトロントで生活が送れると思います。

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写真1 トロント市街

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写真2 TTCの路面電車

私個人として、トロントに来て驚いたことは医療制度です。日本と同様に国民皆保険制度ですが、カナダでは症状に関わらず、ファミリードクター(かかりつけ医)またはウォークインクリニック(※主に留学生等が利用し、かかりつけ医がいる方も利用できます。)で一度診てもらい、その後、症状に応じた専門医を紹介してもらいます(※緊急の場合、救急外来にかかることもできます)。私は普段から体調管理に気をつけており、約4年間で3回程度風邪をひきましたがいずれも軽症のため、トロントの病院にかかったことはありません。これまで休暇目的で二度、日本に一時帰国をしましたが、一度目の帰国でCOVID-19のオミクロン株、二度目の帰国で39°Cの高熱の風邪に罹りました。私の場合、日本に一生戻らない方が良いかもしれません。

Tanz CRNDの研究環境

一般的に日本の大学・大学院の研究室は閉鎖的であるのに対して、カナダやアメリカの研究室は開放的であるのが大きな特徴です。Tanz CRNDもPIの居室を除き、扉による研究室間の間仕切りはなく、廊下を境にデスクワークスペースと実験スペースに隔てられているだけです(写真3)。そのため、所属している研究室以外のスタッフ・学生間の交流は深く、学生間で実験方法やトラブルシューティングについての教授を行い、研究を円滑に進めることができます。また、フロアに共通機器として超遠心機、ウエスタンブロッティングの現像機や安全キャビネット等が充実しており、併設しているToronto Western HospitalのSTED顕微鏡等も使用することができます(写真4)。神経病理学、エピジェネティクス、タンパク質インターラクトーム解析等、様々な領域に長けている先生方がいるため、同じフロア内で共同研究を容易に行えることもTanz CRNDの強みです。また、臨床医を兼任している先生方もいるため、UofT付属病院等の患者様から提供された血液や組織等のヒトsampleを研究に使用することができます。Tanz CRNDは学生指導にも力を入れており、Tanzセミナーを定期的に行っています。そのセミナーでは、学生及びポスドクを中心に研究成果の発表を行い、各PIの先生方から質問や助言を受け、プレゼンテーション能力向上や研究をブラッシュアップしていきます。セミナー後はピザが用意されており、ピザを食べながら意見交換をされている方も多くいます。また、定期的に外部の先生を招いたセミナーも開催しているため、セミナーを通してUof, Tanz CRND以外の先生とも交流を深めることができます。

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写真3 UofT, Tanz CRNDがあるKrembil Research Tower

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写真4 Toronto Western Hospital

北米ではThermo Fisher Scientificのaspireというメンバープログラムがあり、UofTのメールアドレスで会員登録すると毎月ポイントが取得でき、そのポイントを使って対象内の試薬を無料で入手することができます。無料での入手は一度きりですが、通常購入と同じ規格のため、量は十分であり、研究費をセーブできる素晴らしいプログラムをUofT, Tanz CRNDでは利用できます。

Watts研究室の研究概要

α-synの研究では、大腸菌を用いて合成したα-synをクロマトグラフィーにより精製し、その後in vitroでPreformed Fibril(PFF)を形成させ、PFFの生化学的解析後、PFFをマウス脳内に注入し、臨床的及び組織学的解析を行い、パーキンソン病(PD)/多系統萎縮症(MSA)の疾患モデルマウスの作製を行っています。このようなPFFを用いた神経変性疾患モデルマウスの作製はタンパク質凝集機構の解明及び新規治療薬のスクリーニングに有用です。近年、Watts研究室ではPFF形成時におけるbuffer組成の違いにより、蓄積するα-synの凝集体の形態、脳領域や細胞タイプが異なることを報告しました。家族性PD及び家族性MSAのα-syn変異体によるPFFの生化学的・組織学的解析にも注力しており、新規治療薬の発見に繋がる研究に取り組んでいます。

Prionの研究においてWatts研究室はBank Vole PrP(BVPrP)の研究に、特に力を入れています。Prion病は凝集型PrP(PrPSc)が鋳型となり、PrPScが正常型PrP(PrPC)をPrPScへと構造変換し、この構造変換の連鎖的伝搬が脳全体に起こり、PrPScの蓄積で引き起こされる神経細胞の脱落によって死に至る疾患です。この構造変換機構はPrPの数カ所のアミノ酸配列の違い、つまり“種の壁”によって妨げられます。例えば、Prion病を発症したマウスの脳由来のPrPScをハムスターの脳内に注入しても、アミノ酸配列の違いによりそのハムスターがPrion病を発症する確率は極めて低いです。しかし、Bank Vole(ヨーロッパヤチネズミ)はマウスPrP(MoPrP)及びハムスターPrP(HaPrP)とアミノ酸配列が異なるPrPを発現しているにも関わらず、種の壁を超えて、両方のPrPScに容易に感染します。近年、Watts研究室はBV/Mo及びBV/HaのChimera-PrPとMoPrPScまたはHaPrPScを組み合わせた網羅的解析により、BVPrPのPrPSc感受性に寄与するアミノ酸残基を解明しました。このアミノ酸残基の同定はPrPCからPrPScへの変換機構の解明や新規治療薬の発見に繋がる可能性が期待されます。興味深いことに、MoPrP及びHaPrPと比較してBVPrPの立体構造は不安定であり、BVPrPに家族性Prion病の変異を加えた遺伝子改変マウスは、BVPrPの自発的凝集によりPrion病を発症します。このマウスは家族性Prion病のモデルマウスとして有用で、Watts研究室はBVPrPの自発的凝集機構の解明に取り組んでいます。

Watts研究室

Watts博士は穏やかな性格で好奇心旺盛な方です。居室で忙しくしている時でも「新しいデータを見せたい。」と言うと、作業をすぐに中断し、データを一緒に確認し、ディスカッションをしてくれます。そのため、学生との距離も近く、居室で談笑する声がよく聞こえてきます。Watts博士はTanzセミナーを取り仕切っていることから、他のPIの先生との交流が深く、Tanz CRND内でも共同研究を積極的に行っています。また、私が提案する新たな実験も快く了承してくださり、頭脳明晰な方のため、実験条件や細かい手技のアドバイスも常に的確です。Watts研究室に所属してから、休暇のお願いを初めて申し出た際に「3週間でも4週間でも休んでくれていいよ。ゆっくり休んでほしい。」と想定外の返答に驚いたことを今でも覚えています。懐が深く、人格者であり、研究者として心から尊敬しています。Watts研究室の学生は個性豊かなメンバーが多く、楽しそうに研究をしている印象があります。他の研究室の学生は基本的に土日祝日に研究室に来ることはありませんが、休日も実験をする熱心な学生がWatts研究室には多く、良い刺激を受けています(写真5)。

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写真5 ラボ加入時のWatts研究室の学生・スタッフ(右から3番目:著者)

ラボイベント

Watts研究室では新しいメンバーが加わると歓迎会としてラボメンバー全員で食事に行き、親睦を深めます。Medieval Timesに行き、ディナーを楽しみながら、中世ヨーロッパの世界を題材とした剣闘、馬上槍試合のショーを間近で見られたことは日本では味わえない体験でした。その他にも楽しいイベントを定期的に企画しています(写真6)。また、学生やポスドクだけでランチやディナーに出かけ、お酒を飲みながらボードゲームをするなど、プライベートな時間も一緒に過ごす程、仲が良いです。ハロウィンやクリスマス等のイベントには力を入れており、各自持参したお勧めのお菓子でハロウィンパーティ、クリスマスにはプレゼント交換をします(写真7)。ハロウィンは研究室だけでなく、Tanz CRND全体でハロウィンパーティが行われ、仮装する学生やスタッフが沢山いて、とても賑やかなインベントになっています。

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写真6 ボーリング大会

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写真7 クリスマスイベント(前列左:著者)

海外留学を検討されている方へ

海外留学は海外の研究環境・研究の進め方を知れる貴重な機会です。留学当初は日本の研究環境の良い点を再認識する日々でしたが、研究が進むにつれ、日本にはない海外の研究環境の良さを知ることができました。また、研究の進め方については日本と異なる点も多く、新たな視点や研究へのアプローチを学べる機会になります。そして、異国の地での研究は自身の研究能力を試すことができ、成功した際には今後の研究キャリアの自信に繋げることができると思います。

留学以前は、私の研究能力が海外で通用し、評価されるか不安でした。しかし、英語の言語能力を除き、研究・実験の面でUofT, Tanz CRNDの他のスタッフに全く劣らず、優っている点が多いことが分かり、自信がつきました。日本人は手先が器用であることから同じ実験機器を使ってもデータが綺麗で、テクニカルエラーの誤差等が小さいことが特に評価されています。Watts研究室に私が加わって以降、“Japanese quality”という言葉を耳にする機会が増え、他の研究室の学生から突然話しかけられ、「実験を教えてほしい。」と頼まれることもあります。当初は約2.5年の雇用契約でしたが、実験技術だけでなくその他の仕事面も評価して頂けたこともあり、雇用の延長をして頂けました。また、私の今後の研究キャリアについてWatts博士から問われ、いつかは未定だが日本に戻るつもりでいることを伝えると「日本に戻るまで私の研究室にいてくれていい。雇用については心配しないでくれ。むしろ、私の研究室にずっといてほしいくらいだ。」という言葉をWatts博士から頂けました。大学院から留学先まで、私は上司に恵まれていると改めて感じ、私自身のためだけでなく尊敬できる上司のためにも研究成果を挙げることを心に決めました。私でもUofTのPIからこのように評価して頂けましたので、他の先生方も海外の研究室で確実にご活躍されると思います。以前の私のように海外留学に不安を抱いている先生方も臆することなく海外留学に挑戦して頂きたいです。

UofT, Tanz CRNDはPIの業務をサポートする優秀な事務スタッフが多く、PI・スタッフ及び学生全員が研究に打ち込める素晴らしい環境です。カナダに住む人は人柄がよく、Tanz CRNDに所属するスタッフ及び学生は日々楽しそうに研究を行っているのが特に印象的です。第一言語が英語ではない方が多いため、拙い英語でも嫌な顔をせず、笑顔で聞いてくれます。UofT, Tanz CRNDは研究及びプライベートな時間(写真8)も有意義な留学生活を送ることが出来、神経変性疾患に興味がある先生方に推奨できる留学先です。私以外にもUofT, Tanz CRNDに留学されている邦人の先生が沢山おられ、留学先の候補として見学に来られる先生もおられます。また、Watts博士をはじめ、他のPIの先生方は例年、国際学会のAD/PDに参加されています。そのため、AD/PDに参加されるとUofT, Tanz CRNDのPIの先生方に直接お会いし、留学について相談することができると思います。留学先の候補にUofT, Tanz CRNDを検討して頂けましたら幸いです。

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写真8 Tennis ATP MASTERS 1000 NATIONAL BANK OPEN (Toronto)

(UofT, Tanz CRNDのホームページURL: https://tanz.med.utoronto.ca/)

(Joel C. Watts研究室のホームページURL: https://joelwattslab.org/)

おわりに

最後になりますが、博士課程の指導及び留学先を紹介して頂いた大阪大学大学院連合小児発達学研究科の片山泰一先生、UofT, Tanz CRNDのPaul Fraser博士、博士課程での研究でお世話になった松﨑伸介先生、吉村武先生に厚く御礼申し上げます。そして、本稿を執筆する機会を与えて下さいました名古屋市立大学の澤本和延先生、自治医科大学の山崎礼二先生、及び出版・広報委員会の先生方にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。

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